虚木零児の仮説置き場

虚木零児が他人の行動に仮説を立てるブログ

不満ガチャ仮説

虚木零児です。

皆さんの周りにはいませんか。意思決定には携わらないのに結果に文句だけは言う人。

「昼飯どうする?」って聞いたら「なんでもいいよ」って答えていたのに、「ラーメンでも行こうか」って言うと「えー? ラーメン?」って言っちゃうような人。

ラーメンが嫌なら、ラーメン以外って言えばよかったのに。なぜ、「なんでもいいよ」とか余計なことを言ってしまうのでしょうか?

彼らの言動に注目し、ときには自分自身を見つめながら、私は一つの仮説にたどり着きました。それが「不満ガチャ説」です。

 ガチャは皆さんご存知ですよね。ガチャガチャとかガシャポンとか、名称や商標はいろいろあると思いますが、要するに景品がランダム排出される仕組みの通称です。海外の奴らはルートボックスとか呼ぶらしいです。元々が機械の擬音っぽい、日本語と比較するとちょっとだけ知性を感じますね。ちょっとだけ。

ここで重要なのはプレイヤー、すなわちガチャを回す人はガチャの結果に基本的には干渉できないことです。目当ての物があっても出てくるとは限りませんし、プレイヤーの技量によって結果がよくなったりもしません。なので、自分が望んだ結果を手に入れたいなら、やり直し続けるしかない。このあたりがのめり込む人を生み出す仕組みの一つです。

不満ガチャとは端的に言えば「他人から望みの結果を引き出すまで不平不満を述べてやり直しを要求すること」です。不満が排出されるガチャではなく、不満を消費することで回せるガチャのイメージです。

重要なのは「他人から望みの結果を引き出す」ことであって、「自分の望み通りに他人を動かす」ことではないところです。彼ら彼女らは他人の行動に対して自分は必要最低限の干渉しかしません。理由はわかりませんが、自分の選んだ結果では無責任に一喜一憂できないからでしょうか。好きなキャラクターがもらえるチケットでクソキャラを手に入れてしまうと自分がクソであることは言い逃れのしようがない。一方、ガチャでクソキャラを引いた場合は運営がクソであって、クソキャラが出てくる可能性を知りながら回した俺はクソではない。みたいな。

そんな訳ねえだろ、冷静になれ。

考えればわかる話ですが、全外食ガチャなんてものを回すからラーメンを引いてしまう訳です。「えー? ラーメン?」って不満を言う前に、回すガチャを決めるべきではないでしょうか。例えば、イタリアンガチャを引けばラーメンは出てきません。カレーライスガチャとかピッツァガチャのような料理ガチャにすれば、望んだメシが食べられる確率はググッと上がります*1。なぜそれすら怠るのか。

これはもう、ガチャを回すことが目的だからと考えたほうが自然です。ガチャの射幸性に取り憑かれ、回し続けた結果、とうとう回すことが目的化してしまった。こうなると、好きなご飯を食べることが目的ではありません。他人が提案してきたご飯を肴に一喜一憂したいだけ。実は食べたいご飯なんて無いまであります。

そう考えれば、不満を言った人に対して「じゃあ、何が食べたいの?」とか聞いてみたところで、満足な回答が帰ってこないのも納得がいきます。別に何かを食べたくてガチャを回してる訳ではなく、ただガチャを回したいから回している訳です。デートの不満で「食事を私に考えさせてきた」みたいな愚痴を垂れてる奴も、ガチャを回すつもりが突然サプチケを寄越されたからキレてるのです。キャラはいいから、ガチャを回させろ。

そんな人々の相手をするにはどうしたらいいか?

不満でガチャを回させない? そんなことをしても「不満でガチャを回せない。クソゲーってSNSに書かれるだけです。そんなことより、ガチャに徹するのが一番でしょうね。適当にドラムロールでも流しながら思いついたご飯を垂れ流すのです。

他には演出を派手にして期待を煽るのもいいかも知れません。手元のライトが光ったらSR確定、虹色に光ったらSSR確定とかにしましょう。

同じ料理を繰り返すのも有効です。ガチャと言えばダブりは付き物ですから、そのあたりも再現しましょう。それに、一度上げた候補を排除して考えるなんて労力をかけるだけ無駄です。

中にはバカにしてるのかと感じられる方もいらっしゃるでしょうが、実際、バカにしているので否定はしません。バカではないのなら自分が食べる飯ぐらい自分で考えるようにしたいところですね。

*1:実装されてない可能性もありますが