虚木零児の仮説置き場

虚木零児が他人の行動に仮説を立てるブログ

だから、俺は免許を持っていない

虚木零児です。

交通事故がViewを稼げると聞いて話題を続けることにしました。

大津市で園児2人が死亡、保育士含めた多数が怪我をする交通事故が発生しました。丁字路に侵入した直進車に対して対向車線から右折車が突っ込み、直進車が信号待ちをしている園児の集団に突進したという経緯です。

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ちょっと何を言っているのかわかりませんね。

まず、前方から直進車が来てるのに右折に入ろうとするのがわかりません。直進車が優先だと聞いているのですが、その辺りいかがなのでしょう。いろいろな記事を見て回っていると「前を見ていなかった」とかいう恐ろしい証言が出ているとの話もあり、前を見ていないならどこを見て運転していたんだという感があります。

こんなのに車の運転を許可していいのかという話です。誰もが当たり前に車を運転する社会にはなりましたが、金属製の重量物を時速何十kmという速度で動かすことはやはり相応に危険の伴う行為です。だからこそ免許制度を施行して、能力と素養を備えた限られた人間のみが許可されているはず。周囲の状況を承知して衝突などの恐れが無いことを確認した上で進行するというのはどうしても求められる能力であり、それを怠るというのは間違いなく過失でしょう。

実際、先の証言に加えて「衝突したことで直進車の存在に気づいた」と書いている記事もあり、対向車線の車を認識しないまま丁字路に侵入しているきらいがある訳です。他のものに気を取られていて――とかであれば「注意を怠った」で済むでしょうが、眼疾病で対向車が見えていませんでした、などであれば注意するもクソもないわけです。だって見えてないんだもん。

目に病気を持って視野が一部欠けている人に同情を覚えないわけではないですが、彼らが車のハンドルを握って公道を走るとなると話は別です。本人に注意の意識があっても、欠落した"死角"で車を見落としてしまえば、怠ったのと変わりません。当然、状況次第では大事故に繋がります。不本意とは思いますが、返納して然るべきだと個人的には思います。

まあ、今回の事故はただの不注意によるものなのか、はたまた身体的な理由によるものなのかは定かではありません。ただいずれにせよ、右折したドライバーは車の運転を認可されていたことに違いはなく、私に言わせれば「なんで免許取れるのかなあ」という疑問を覚えざるを得ません。

一方で、右折車と衝突した直進車が歩道の奥にまで突っ込んでくるというのも不思議な話です。対向車線から右折してくる車に衝突することで、直進車が左向きの力を受けるのは間違いないことですが、一方で自身の進行方向に向いた力は外部から受けていないはずです。双方の車の前方右手側に衝突痕が残っていること、右折しようとした車は反対側に抜けていることも鑑みれば、直進していた車に唐突に左方向への強いベクトルがかかり、コントロールの甲斐なく歩道の園児へという状態ではなかったでしょう。

現場にブレーキ痕がないというのも気になります。直進中に対向車線から右折車が飛び出してきたという状態に対し、衝突回避のためにハンドルを左に切るのは反応としては自然でしょう。しかし、左にハンドルを切ればその先は歩道であり、どこかのタイミングで右に戻る必要があります。スムーズに行けば右折車が停止し、はみ出した部分を直進車が左に少しずれて回避し、道路に戻って交通する画になったはずです。

ところが、実際はそうならずに歩道に突っ込みました。右折車が止まらずに突っ込んできたので右に戻るタイミングを失ったのでしょうか。戻れないのならば、今度は歩道までの僅かな距離の間にできる限り減速をして被害を最小限に抑えるしかありません。

理想を言えば、左側に回避しつつも車道に戻れない可能性を考慮して即座に減速を開始しておくべきだったのでしょう。しかしながら、ハンドルを切りつつブレーキという操作では却ってコントロールを失う可能性が高く、先んじてブレーキによる減速が欲しかったところではあります。

これが部外者の結果論であること、現在判明している記事などをつなぎ合わせた机上の空論であることは重々承知しています。もし仮に、この推測が正しかったとしても、いざ自分自身が同じ状況に陥った時に正しい対処はできなかったであろうことも正直に白状しておきます。「直進のドライバーは被害者だ」という言説も理解できるし、それを殊更に否定したいとも思いません。

それはそれとして、運転免許取得に求められている水準ってどこなのかという話は一度明確にしておくべきだと思います。大津の件では「対向車線から直進車が来ていることに気づかずに右折する奴」「不意に侵入した右折車を避けて歩道に突っ込む奴」が登場しました。免許を持っていていいのは誰でしょう。右折車のドライバーが論外であることは多くの人が首肯するところだと思いますが、直進車のドライバーの判断に一切のミスはなく、事故被害はこれ以上抑えることはできなかったのかという点については意見が分かれるように思います。

私は事故を最小限に抑えられるドライバーだけが乗るべきだし、自分がそうはなれないことを自覚しています。今回の件、右折車も右手側に衝突痕があり、既右折でなかったことは明白です。おとなしくしていると思っていた右折車がいきなり動き出し、衝突したというお話ですが、この一瞬で適切な判断をしてダメージをコントロールできたかといえば、何度考えても私にはできない。再演も十分にありえるし、何ならパニックを起こしてもっとひどい結果だったかも知れない。

だからこそ、私は免許を持っていないのです。たとえ、国家が私に十分と評価を与えようとも私自信が免許を持つに足る資格がないと感じている以上、私は絶対に免許を取りません。

現状、運転免許取得のラインは相当に甘く、私もうまいことやれば運転免許を取得できるのかも知れません。でも私はやりません。それが、私の矜持です。

 

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一時停止して、“右よし、左よし”と声を出して確認し、接近車が走ってきたのに、道に飛び出してしまうケースもありました。 

 

なんていうか「ヤバい」以外の感想がわきません。よしじゃねえよ。

車の運転は一歩間違えれば多数の死傷者を出す非常に危険な行為であり、ドライバーの一人ひとりが安全に対して重い責任を持っていることを自覚しましょう。要求されている能力を満たしていないのであれば辞めるべきですし、要求される能力が理解出来ないのであれば同じく運転すべきではありません。その辺り、もう少し真剣に考えてもいいのではないのかなと思う次第です。