虚木零児の仮説置き場

虚木零児が他人の行動に仮説を立てるブログ

今、僕たちの目には何が映っているのか

虚木零児です。

あまり騒ぎになってはいなかったし、特にすることもないとは思うんですが、こういう記事を見かけました。

news.livedoor.com

まあ、実の娘を強姦していた輩が罪に問われ、罰を受けるというのは当たり前の話ではあります。

ただ、僕の脳裏をふとよぎったのは、あの時大騒ぎしていた人たちは今頃どうしているんだろう。ということです。別に日本は性犯罪者天国ってほどではないですよね。

興味もないので調べてはいないんですが、親子に限らず性行為を強要していた事件はどれぐらい発生していて、その中でどの程度が有罪となっているものなのでしょう。「毎日のように発生していて、その多くが無罪放免となっている」とか、あるいは「極稀に発生していて、大半は有罪になっている」とか。どうなんでしょうね

この2つであれば、前者を指して「性犯罪者の天国だ」と言われるのは、なるほどそうなのかもなという気持ちにもなりますが*1、後者のごくごく稀に発生した無罪を論って「性犯罪者の天国だ」と言われるとそれは違うだろという気がします。

性犯罪が憎むべき犯罪であるというのは同意しますが、罪なき人々を罪人として取り扱ってはならないというのも理想であり、性犯罪の事実が認定できない、証明できないのであれば、それは罪とすべきではないでしょう。前回から僕の考え方はあまり変わっていません。

ですので、今回のように性犯罪者が有罪になったという話を聞けば「そうでなくては」と思いますし、喝采するのも吝かではありません。が、多くの人は気にすることなく生きています。まあ、僕だって見出しが目につかなければどうだったかは定かではありませんが。

でもこの辺りは人間が薄情だ、というよりは、見えている世界がそれぞれで違うのだろうな。という気がします。

僕はAmazonでひどい目に会ったことはありません。なんだかんだで望んだ日にちに届くし、梱包に問題があったこともありません。意図せず競女のディスクが入っていた、とかもありません。配送業者に困らされたこともないし*2、配達員の態度に困ったこともありません。

だからAmazonがクソだ。と思ったことはほとんどありません。まあ、商売のやり方とかに反発を覚えることがないわけではないです。

ただ、僕は僕自身が特別幸運な人間だ、とは思っていません。僕以外にもAmazonに困らされたことのない人はいるだろうし、実際、多くの人間にとってAmazonは上手くやっているのだと思っています。悪い情報ほど耳目を集めやすく、周知されやすい部分もあるし、悪いニュースほど記憶に残るものだと思うんですよね。肝心なときに外れるストーンエッジ的な。

それに加えて、あれだけ母数が莫大であれば、インシデントの数も膨れ上がるだろうなとも思うわけです。たとえ出荷した荷物の0.1%でしか問題が起きていなくても、年間で6億件の発送を行っていれば、1年間に六十万件の問題が起きていることになる訳です。六十万件って言われると結構な数ですよね。

真面目な話をすると、管理タグの貼付間違いによってスマホフィルムを買ったはずなのに別の商品が送られてきた、という人には会ったことがあります。この時は、本来フィルムにはられるはずのタグが、工具のドライバに貼られていたと聞きました。こうなると、タグ情報を頼りにピックするとドライバをピックしてしまいます。梱包前にはご出荷防止のチェックだってあったでしょうが、そもそものタグが間違っていたことで上手く機能しなかったのだと思います。おお、怖い。

ここだけ見ると「お粗末だ」「酷い話だ」と思うわけです。ですが、それでも多くの人がAmazonを使い続けておるのもまた事実であります。不思議な話ではあるんですが、そこには「Amazonでの通販は概ね上手くいくものだ」という期待があるからだと思うんですね。数値やデータの裏付けはないかも知れませんが、感覚としてはそういう意識を持っている。めったに希望のものが届かないサービスを使おうとは思わないでしょうから、多くの人からみたAmazonっていうのは、それなりに問題はあるものの、その程度としては我慢できる位に収まっているんだと思うんですよ。

だから、なにかの事故で届かなかったり、作業員のミスで違うものが入っていたりということがあれば「Amazonはクソ」とか「やっぱマーケットプレイスは信用ならねえ」とか思ったりするものの、結局は通販の利便性に負けてAmazonの利用を続けたり、別のマーケットプレイス品を購入したりということをしているのでしょう。

そうなってくると無罪判決が出た時に「性犯罪者を守るのか」とか息巻いていた人達も結局は「概ね有罪になる」ことは理解していて、一時は「日本はクソ」とか「やっぱ裁判官なんて信用ならねえ」とか思ったりするものの、結局は住み慣れた日本から離れることもできず、困った時には裁判官に泣きついたりするのかな。と思うのです。

まあ、概ね上手くいっているからといって、スマホフィルムの代わりに使いもしないドライバを握らされることを我慢できるかは別問題ですし、やっぱり、そういう事件はなくなっていくに越してことはないのですが。

*1:両者間で性犯罪の定義が違うのでは。という疑問は置いておくとして

*2:強いて言えば、ヤマトのネット再配達が面倒臭かったぐらい