虚木零児の仮説置き場

虚木零児が他人の行動に仮説を立てるブログ

掛け算に順序があることを理解できない異教徒どもに告ぐ

虚木零児です。

僕もね、日々勉強している訳です。クソ野郎なりに。ここで掛け算の順序について勉強しましたよ。これで僕も、ニワカとはいえ掛け算順序教団の団員ですね。

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ぶっちゃけ、教義に対しては未だに疑義を持ち続けてはいるんで、純粋な団員とは言い難いんですけど、まあ、それでも異教徒を焼くぐらいのことはできるんでね。今回は気軽に焼いていきたいと思います。よろしくお願いしまーす。

はい、というわけでね、今日焼いていく異教徒はこの人です。

言うまでもないですが、そうはならないです。

もしかしたら、問題が見えない人がいるかも知れないので記載しておくと「7個のアメが入った袋が4袋あります。全部で何個ですか」と「高さ6cmの箱が2箱積んであります。合わせた高さは何cmですか」が問題です。

単位あたりの数、かけられる数が左に来るのが大原則ですので、4や2が左に来てはいけません。もしも仮にきたら、とかそういう仮定自体が無意味です。4袋、2箱はかけられる数になりえません。ここまではOKですね?

そうは言っても教義を理解していない哀れな異教徒たちは4を左に持ってきてしまうことは十二分にありえます。まあ、事の発端自体が異教徒の子供が左に持ってきたことなんで、たとえ異教徒だとしても否定はできないでしょう。その場合はどうなってしまうのか?

Tweetの主は4袋×7=28袋になってしまう。とのことですが、そうはならないです。左側に持ってこなくてはいけない数字を右に持ってきたことで、その数字が持っている意味を失う訳がありません。ただただ、順序を間違えた哀れな異教徒が書いたおかしな式があるというだけの話であり、我々の教義である掛け算の順序は揺らぎません。7個/袋と4袋という数字が出ている問題で4袋がかけられる数字になりうると考えること自体が、掛け算の順序の根源的な思想に対する冒涜ですね。ましてや、それをかけ合わせて計算結果が28袋なんていうのは、堕落を誘発する悪魔の発想だと言ってもいいでしょう。地獄の業火に焼かれるがよい。

 

まあ、ぶっちゃけ経典的に考えても、かけられる数が左でかける数が右っていうのは足し算の延長としての掛け算を説明する際の便宜的なものであります。3個のアメが4グループ分あって、更に3個のアメが1グループ出てきた時、数式だと「3*4+3=15」になるんですけども、かけられる数と同じなんだから4+1グループあると考えて「3*(4+1)=15」と同じことだよね、みたいな話につなぎやすい。

でも結局は交換法則っていうのがあるんだよ、という話をした時点で形骸化します。重要なのはそれぞれの数字の意味を理解できているか、否かであって、理解できているのなら、どんな順序で掛け算しようと問題はありません。

例えば、冒頭の話みたいな7個/袋と4袋が出てきた時、それぞれの数字の持つ意味――すなわち、7がかけられる数と呼ばれる数字で4がかける数字である――ことが理解できているのであれば、4*7で28"個"であることが割り出せるはずなんですね。ここで28袋って言っちゃうヤツがもしいたとすれば、それぞれの数字の意味を理解できていないのでヤバイです。だから、あのTweet主は相当ヤバい。人生やり直したいって言っても納得するレベルでヤバい。

ただまあ、生まれた年度と地域が同じってだけでかき集められたガキども相手に一人ひとりマジメに相手するのは現実的じゃないっていうのもわかる話で、それぞれの数字の意味を理解しているか否かを判断する基準として、かけられる数を左にしてかける数を右に持ってきなさい。というルールを課しているのもわからんでもない。採点の効率化というか、習熟度合いを比較しやすくするというか、そういう知恵ですよね。だから、冒頭で紹介したブログの人なんかは、間違えてる子供がいたら、どこで躓いているかを確認するような話をしているんですね。それぞれの数の意味を理解していて、今回たまたま順番の話を忘れていただけなのか、それぞれの数字の意味を理解できていなくて順番通りがそもそもできないのかをケアしようとしている。その一点に関しては理解できないこともありません。大変そうだしね。教師の仕事。

ただ大問題なのは、それを社会の普遍的なルールだと思いこんでワケの解らない理論を異教徒に撒き散らしている害悪三下団員がクソ目立つ点です。

真面目な話をすると7個/袋と4袋という数字が出てくる問題で4*7という式を書いた子供がいたとして「これだと4個/袋と7袋になっちゃうでしょ?」とか「4袋かける7で28袋になってしまうでしょ?」とか子供にも劣る理解力を押し付けようとするのマジのガチでやめてほしい。僕らが理解できようが、できなかろうが1袋辺り7個入っていることに変わりはなく、その袋が4袋あることも変動しないんですよ。そして、それぞれの数字をかけ合わせた時にもたらされるのは全部の袋の中に入っているアメの数であることは不変なんですね。「4*7=28、すなわち、川島瑞樹の年齢ですね」とはならないのと同じぐらい「28袋です」とはならない。なると思ってるなら墓に入れ。

確かに可能性としては「なんか4と7が書いてあるからかけてみた」っていう一昔前のド底辺Youtuberみたいな奴もいるとは思うんですが、同時に「7個/袋と4袋なのはわかっているけど、やりやすい4*7で求めた」奴であることも否定できないんですよ。後者に向かって件の謎理論「4個/袋だと思ってんだろ!」とか「28袋になるじゃねえか!」をぶつけても混乱しか生みませんよね。僕はいい年したおっさんなので「いや、順序はどうあれ、それぞれの数字の意味が変わるわけねえだろ。アホか。お前こそ脳みそ使ってんのか」って煽り返せますけど、子供にそれを求めるのは酷な話じゃないですか。実際、意味わかんなくてショック受けて帰ってきて、子供の様子がおかしいので親が調べてみたらこんな状況でした。みたいなのがちょくちょく見られる情景ですからね。

ここはまあ、はっきりさせておくべきポインツだと思うので、はっきりとさせておきたいんですけど、教示する立場からみて3個入の袋が4袋ある時、「3+3+3+3」と書く代わりに「3*4」と書いて「1単位辺りの数字×その個数」の数式にできるんだよ。から導入したほうがやりやすい。という話が否定されているのではなく、だから何がなんでも「1単位あたりの数字×その個数」で書かなければいけないと頑なに信奉しているあなた自身が否定されているんだという点は理解してほしいですね。

掛け算を取り扱う以上はどこかで交換法則にぶつかるのであり、交換法則にぶつかった時点で順序なんてものにこだわり続けるのはナンセンスだってことを多くの人は理解するんですよ。どうせいずれは気にしなくなる概念に固執してもなんの意味もない。でも、それをわざわざ「でも、交換法則があるんだから、意味がわかっていれば順番なんて関係なくなりますよね? どうしてそれにこだわり続けるんですか?」とか教示する義理もないので、「こいつ何言ってんだろ? もしかして、バカなのかな?」で終わらせてるだけです。それは別に我らが愛する掛け算の順序という教義に対する疑念ではなく、お前自身が馬鹿にされているだけです。

別に小学2年生ぐらいなら、出てくる数字も2つで入れ替えようが大差ないのかも知れませんが、先々になってくるともっとたくさんの数字が出てくることも十二分にありえる訳で、そんな時に掛け算は順序通りに計算しなければいけないっていう呪いに動きを封じられているのって本当にバカバカしい話だと思うんですよね。鉛筆が2本セットになった小袋が7袋で1ケース、このケースが8ケース入ったダンボールを5箱渡された時、鉛筆が何本ですか。順序どおりに数式に表すと2本/袋*7袋/ケース*8ケース/箱*5箱になって、14本/ケース*8ケース/箱とか、112本/箱*5箱みたいな2桁ないし、3桁かける1桁の計算をしなくちゃいけないんですけど、2*5が10なんで、7*8*2*5の順番にすれば、小学2年生に毛が生えた程度の計算力でも560だなってわかる。別にこの程度の生活の知恵を知っていたからどうだって話ではないんですけど、この程度の生活の知恵すらも活用できない子供を作ることが教育なんだって話にはNoを突きつけたい気持ちはあるっていう話は理解してほしい。

……なんかあまりにニワカ過ぎて勢い余って教義を否定してる気がしてきたので、これ以上のボロを出さないために、今回はここらでやめることにしておきます。最後に問題を残しておきますので、次回までの宿題ということにしましょうか。さよなら。

 

問題。あるトレーディングカードのパックには5種類のカードが1枚ずつ入っています。あなたが4パック購入した時、何枚のカードを手に入れられますか。式と計算結果を忘れずに記載せよ。