虚木零児の仮説置き場

虚木零児が他人の行動に仮説を立てるブログ

莫迦でもバカにできる程度の馬鹿の話

虚木零児です。

実は、僕、異世界から転生してきてたみたいなんですよ。チート能力が微妙すぎて最近まで自覚がなかったんですけど。

きっかけはコレでした。

別に釘宮理恵女史の演技が素晴らしいことは何ら否定しませんし、このアナウンスが可愛いということも認めます。加えてフォローをしておくならば、ハヤテのごとく!が内容的には深夜アニメで放映されるようなものでありながら、日曜朝10時放映だったことを皮肉って深夜34時という言い回しがあったのもまた事実と記憶しております。

そこはいいよ。

問題は、日曜朝10時の放送にも関わらず。の部分ですよ。

時間は関係ねえだろ、時間は。

前世の知識でマウント無双~年嵩すぎて、過去の記憶があるだけだが?

残念ながら最近のテレビはチェックしていないので、部屋を明るくして~という決まり文句がどういう移り変わりをしているのかは存じ上げていません。ただ、この決まり文句は「夜も更けて参りました。夜の帳も落ちて、部屋が暗くなりがちな時間帯ではございますが――」って話をしているんじゃあない。君たちはこれを時候の挨拶ならぬ、時間の挨拶だとでも思っているのかね。

これは有名な話なのでご存知な人も多いと思いますが、今も人気のアニメ作品に使われた激しい明滅描写に視聴者が体調を崩して病院に担ぎ込まれた事件があるんですよ。当時からIP自体は子供に人気で、視聴者の大半はもちろん子どもたちということで、センセーショナルな事件として取り扱われたんですよ。

ポケモンショック。あるいは、該当回でメインを張っていたポケモンの名前から取ってポリゴンショックと呼ばれるものです。

ja.wikipedia.org

これを契機として、光過敏性発作を引き起こしかねない演出、表現っていうのは使われないであったり、演出を抑えめにするようになった。あるいは、そういう表現については注意を喚起するという方向に進んでいくことになる。

「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見て」という注意書きはそれの一環に過ぎないんですよ。

前述の通り、最近のテレビをチェックしなくなって久しいので、今もなお、この表示が続いているかを僕は存じ上げていないのですが、少なくとも10年ぐらい前までは同内容のテロップは一種義務かのように表示されていましたよね。

というか、僕の記憶においてはまず急場対応のテロップ追加に踏み切り、それだけでは子どもたちには伝わらないかも知れないから、彼らの好きなキャラクターたちに直接説明をしてもらおう。と進んでいたはず。いや、子どもたちに伝わるようにというのは僕の推測だから、もしかしたら違うかもしれない。

だから、当時の僕は子供が見ることを想定されていない、深夜アニメなんかは対応していないだなと思った記憶があります。対応しているものを見ても「こっちも、いいトシなんだから、それぐらい理解してるよ」って思ってました。今にして思えばガキの思い上がりなんですが、厨房ってそういう所あるよね。

それでいうと、深夜アニメなのにキャラクターが注意してくる。っていうのは一種のシュールではあったんですよ。夜中まで起きてててアニメ見るようなヤツがメインのターゲット層なのに、純粋な子どもたちに向けての手法が使われている――っていう、一種のおかしみがある。

それをお前、深夜34時と言われたアニメだからかな? って言われても。

これ、僕昔読んだことがあるんですよ。転生前の世界では当たり前だったことが、転生先の世界では大革命を起こすような発見ということになってて、ロクに勉強もしてなかった怠惰な奴が一躍時の人になるっていう話。たぶん、この世界も近いタイプ。

いや、もっと早く気づいてもよかったな。闘劇無許可マン騒動とか、あからさまだったもんな。あんなのがデカいツラしてる時点で、この世界の平均が俺よりも低いことに気づいて然るべきだった。

――念の為言っておくと、この手の話で「生まれつきツラがデカい」というのはまずありえないので、周りでチヤホヤした僕たちが彼らの顔面を盛りに盛ったという話ではあります。ツラがデカくなったから自尊心が肥大化してアホやったという可能性を考慮したとしてもね。

つまりは、気づいてないのかもしれんが、俺もお前も相当のアホだぞ。って話です。

なぜ人は知りもしないことで滑稽をさらしてしまうのか

これに限った話じゃなくて、本当に知識のレンジというか、視野のスコープがびっくりするぐらい狭い奴が跋扈しているんですよ。これとか。

日本人のITスキルの低さをそんな誇らしげに語られても……

ド底辺が手順書通りにやったら設置できました! みたいな話はITスキルでも何でもないんですよ。というか、制作者に泣きつかれては手順書に組み込んでくれてたっていう話じゃないですかね。

本当にPerlの知識があって、サーバーの権限制御に理解があって、FTPの転送モードを理解していて、改行コードの問題なんかを理解して文字コードの問題何かを把握してる人が絵文字の表示がどうとか、Twitterがバグって1970/1/1って表示された時に「何が起きてるの?」ってなるハズないと思うんですけど。見りゃわかるだろ。

ここで言われているITスキルってせいぜい、

  1. お手本通りにテキストを書いて、ブラウザに読ませてみよう
  2. 表示される部分を自分のコンテンツに変えて見よう
  3. 他のタグを試して、自分の思い通りのコンテンツを表示させてみよう

ぐらいまでしか読み取れない。

こんなもん、言ってしまえば「野球のバットは振って使うものだ!」と理解したぐらいの話でしかないんですが。そりゃ、やったことない人たちは「わーすごーい」って言ってくれたかも知れないが、ここから長く険しいWEB道の第一歩ですよ。その程度のことをして「日本人の多くは野球経験者」とは言わないでしょ。

これがもし「諸外国では野球のバットを見ても何に使う道具か理解できない人が大半」みたいな主張なんであれば「相対的に日本のスキルは高いね」という話になるんですけど、そんな文脈で「日本人のITスキルが低い」ってワードが出てきますかね?

これに限った話じゃないんですけど、二十年も前のまだまだインターネットが牧歌的だった時代に「テキストでhtmlを打ち込んで作ったなぁ……」程度の話を「俺は凄かったんだぞ」って方向性で持ち出して来る人が多すぎるですよね。底辺も底辺、ドがつくほどの底辺にいて、その後もパッとしなかった話は全然誇るべきことではないです。

Pixivだかの社内体制が不穏だから「使いたくない!」みたいな話をしてた人が「昔、サイト作ってたからhtmlとjavascriptとかはできるし、作ろうかな!」みたいな話をしだして「決済処理をどこですんの」みたいな話をした記憶があります。

君、パスワード平文で保存しそうな顔してんね(悪口)。

だいたい、Pixivのどういう機能の切り崩しを図ってて、それのどこまでをサーバーサイドで処理するものとして実装して、どこからをクライアントサイドに処理させて、どういう操作と設計を目指すんですか? PCみたいに大きいディスプレイと、スマホみたいな小さいディスプレイとでそれぞれのデザインはどうしますか? 認証サービスは何で行いますか? 自前? Googleと連携? Facebook? X(旧Twitter)はムカつくから入れなくていいか?

考えることなんてそれこそ無数にあるわけで、それらも出さずに作りたい! は冒涜も良いところだし、もしかして大嫌いなPixivにそのへん、全部丸コピーさせてもらうつもりなんですか? っていう話なんですよね。

実際問題、僕も学生の自分にはページを作って遊んではいましたが、もう十年以上Htmlなんてまともに触らなくなって久しいし、2024年現在のWEB標準なんてまともにはわかりません。HTML5のあたりから動的なサイトとか作れるし、何ならゲームだってできちゃう! みたいなのは知識としてはありますが、作れはしません。

b.tyrano.jp

口が裂けても「HTMLできます」みたいなことは言えない。

……んですけど、みんな気軽に「書いてたことある!」って言うんですよね。不思議なことに。お前にHTMLの何がわかるねんっていう。令和にもなって marquee*1 タグや frame*2タグの話をするんじゃあない。

25年前の話なんだから……みたいな逃げ口上は通用しませんよ。Frameタグなんて1997年のHTML4の時点ですでに非推奨になってるんだから。これこそがITスキルの低さの証左と言ってよい。低レベルなんですよ。話が。阿部寛を見習おう! じゃないんだ、そのサイト、Font*3タグ使ってんじゃねえか。

自信過剰が過ぎる

ftpでサーバーにアップロードして……って、さも大仰なことのように言ってますけど、ファイル転送なんて「何を」「どこから」「どこに」があれば十分で、せいぜいオプションで「どのように」がつくかな? 程度の話でしかありません。

それをWindowsとかのGUIみたいに「hogehoge」フォルダにある「秘密.txt」をマウスクリックして、ホールドしたまま移動先に「ないしょ」フォルダに動かすか、リモートホストの「naisho」ディレクトリに「put」するかの違いでしかない。もちろん、リッチなクライアントソフトになれば、ドラッグ&ドロップで直感的に! ということも可能だったことでしょう。何を使っていたのか知らんけど。

それは Dropbox だのEvernote だのでグループ共有するよりも格段に難しいことでしたかね。っていう。

今にして思えば、まだ技術的に色々突っ込める会員制の共有箱みたいな仕組み作られてなくて、コンテンツを開示するにも薄汚い掘っ立て小屋を作って、絵や文書を飾ったりしてただけなんですよ。ブログサービスがWEBページづくりのスキルを奪ったはずなんてなくて、文章を読ませたいだけなら素人大工でガッタガタの小屋に文章飾るんじゃなくて、プロのハウスメーカーが大量生産したギャラリーのが見栄えがいい。考えてみれば当たり前の話じゃないですか。誰が素人の建てた家に住みたいか?

Pixivだってそう。近代建築でいろんな画家の作品が入り混じって表示される美術館みたいなサイトから、ろくに最適化もされてない手作り個展みたいなページに戻されてお前ら耐えられるモンかよ。阿部寛のホームページにしたって、質実剛健を地で行く簡素な作りを面白がっていることを自覚しろよ。あれは阿部寛ぐらい魅力的な男がやってるから笑い話で済むんであって、俺みたいなカスほどの魅力のないコンテンツがあそこに並んでても有り難みもクソもねえだろっていう。

逆に俺はその気になればPixiv近代美術館を超える、見事なサイトを作れるんだ! って自信があるというのなら、それはそれで大したもんだと思います。さすが、かつて日本のITスキルの一端を担っていた人物ですね。ただ、その建材は当時から使うなって言われてましたけども? ってだけで。

だいたいね。ウソなんですよ。ブログが流行ったからスキルが失われたなんて。

その気になればブログのテーマだって手作りできる、デザインだった自分の好きなように設定できますよ。ブログだってHTMLとCSS組み合わせて実現されてるんだから。僕だって時折眺めてますからね、なんかもっといい形式ねえかな。けど、誰もが思いつくわけじゃないし、そもそも、そんなに改善の順位が高くない。

結局、あの人達が言うITスキルって自分のコンテンツを披露するのに、使える手段をそれしか知らなかったから、やらざるを得なかったモノを指している。それは別にやらずに済むなら、やらなくても別に構わないものなんですよ。社内コミュニケーションはTeamsでやれって言われたから、Teamsでやってるのと一緒。Discordだろうと、Skype For Businessだろうと同じことだし、それらを使ってチャットが送れるだの、何だのという一つ一つの操作手順を知っていることはスキルでもなんでもない。

使ったことあるアプリやツールを見せびらかすのがスキルの証明になるような世界で高い低いの話してんじゃねえよ。

余談

僕、高校のときはいわゆるコンピュータ研究会みたいなのに所属してました。僕は冷房の効いた部屋でパソコンいじって時間つぶしたい。ぐらいの感覚だったんですけど、バカほど熱心な奴が一人いて、そいつがいらないパーツ持ってきて自作サーバ作ろうみたいなことやってました。今にして思えば何を思って持ってきたんだ、アイツ。

それ以外にも、部のページを作ろう! みたいなこともやったんですよ。バカほど詳しいやつはハード系だったんですけど、もう一人、HTMLとかWEBのことが好きな奴がいて、僕はソイツからHtmlの書き方を習ったんですね。W3Cがどうとか、今後のHTMLではデザインの分離が進むだろう。みたいな話をしてた。コイツもコイツでマジメなやつだったのに俺がいて、悪いことしたな……。

で、ソイツは大学行ってブログ始めたんですよね。僕がいまやってるような既存サービスにアカウントを登録して始めるヤツじゃなくて、実際に枠組みを作ってコンテンツ追加の仕組みを作って、追加されたコンテンツを投稿日やタグ分類に分けて自動で整理される――いわゆる、ブログというサービスのフレームを作ってたんですよ。特別、出来がよかった訳ではないけど、当時の僕にもわかるような粗はなかった。

その頃には僕はせっかく教えてもらって「ホームページ」というものに飽きてて、WEBに何かを出すことに魅力を感じてもいなかったので「ああ、ちゃんとやるとこういうこともできるんだな」って思ったものです。そのあたりから交流ないから今何してるかしらないけど。

これが、今から25年ほど前の話なんですよ。ちょっと、盛ったかも知れん。

僕が話ししてた二人が当時の高校生の標準だった。ワケではないんでしょうけども、まだまだ青二才のガキの頃の知識に毛が生えたようなレベルの奴に問題点を指摘されるようなレベルでスキルもへったくれもねえだろ。とは常々思っているし、俺ごときにアラが見えてるようじゃ、ロクなもんじゃねえだろうな。と侮蔑している。

と、まあ、それだけの話にございます。

*1:非推奨

*2:廃止

*3:非推奨