虚木零児の仮説置き場

虚木零児が他人の行動に仮説を立てるブログ

もしかして自分が異常者なだけなのでは??

虚木零児です。お久しぶりです。皆さん元気してましたか?

僕は元気です。記事を途中まで書いては飽きて辞めるということを繰り返していたので下書きがひどい事になっています。墓場まで持っていくかも知れないし、再利用するかも知れない。

ちなみに今回のは新作です。

anond.hatelabo.jp

いや、世の中にはやべーやつが居るものですね……。

これが女性向けジャンルの住民の"リアル"なのだとすると、検索避けをせこせこかけてる人には流石に同情を禁じえません。

いやまあ、当人が一度も他人に強ていない限り。ですけどね。

ともあれ、ざっくり主張を追いかけて行きましょう。

男性、嫌いな物に対する耐性がめちゃくちゃ高い。

 

びっくりするぐらい高い。

初手がこれである。

男性であり、男性向け創作の消費者の一人として一瞬、首をひねるような言葉だが「女性は被害認知が早い」の言い換えと考えるとすんなり来ます。実際に出てきた例で言うと、絵柄が気持ち悪いと思ったのはそうそう無いし*1、不自然なシチュエーションに違和感を覚えることはあってもそれで何も手につかないということもない。このエントリに書かれていることが女性の"リアル"なのであれば、相対的に見ると耐性は高いのでしょう。標準の線をどこに引くかの話であって、別にそこまで大騒ぎするほどの話じゃありません。

……ここまでは。

女性の多くは私含めてそれができない、難しい。「見てしまうと」信じられないぐらいダメージが入る人が多い。

先に出たような前提に基づけばこの発言は理解できますよね。男性にとってはかすり傷みたいなものだから無視することができるが、女性はそれによって致命的な損傷を受けるので許容することができません。というわけです。HP10000あれば、100や200のダメージぐらいなら大した話じゃないですが、250しかない人に100や200も入るとそりゃやべえって話になる。なります。あるいは、HPの数値が同じでも女性が100ダメ入るのに、男性だと1ダメみたいな場合でも同じですね。どっちにせよ、女性はこれ以上ダメージを喰らいたくないくらい、追い詰められてしまう。

原理的な話でいくと男性の方が許容できる範囲が広い場合、女性向け界隈と比較して避けなければいけない範囲が狭くなります。男性はイオナズン*2だけ気にすればいいが、女性はイオラも危険視が必要になるみたいなことです。女性では許されないイオラ被弾も男性なら許せるので、耐性があるから排除の基準が緩いんだ。

そういう仮定もできなくはないと思います。

ただですね、少し遡るとぜんぜん違うことが書いてあるんですよ。

なんていうか、「見たくない権利」というものはあくまでも見たくない人間がわざわざ個別にやる事であって見たいやつ見せたいやつの邪魔をするのは間違ってるってスタンスで世界ができてる。

これはもう、ぜんぜん違う話です。

男性の方が耐性が高い→許容できる範囲が広い仮説であれば、世間に向かってイオラをぶっ放すのを邪魔する必要がありません。別に耐えられますからね。もし、イオラを耐えられない男がいたとしても、そいつが対策をすればいいので、わざわざイオラを制限しましょうとはならない。

この時点では「邪魔をするのは間違ってる」ことにはなりません。最初から排除しようとしてない、あるいはその要請が弱いわけですから、これを排除するなんてとんでもないという話ではないんですよ。そもそも、排除の必要がない。排除要請がないか弱いんだから、要請側が個別に対応すれば事足りる。わざわざ大掛かりな座組を組む必要がないんですよ。間違ってるんじゃなくて、要らない。だから実は「やっていいのはイオラまでだよ。イオナズンは流石にやめよう」って可能性も十二分にあります。

けど、実際には「邪魔をするのは間違ってるってスタンス」として書いている。最低限、筆者はそういう風に感じたんでしょうね。男性とのヒアリングで。

その感覚に間違いがないのであれば、女性と男性は原則的にルール*3が違うはずなんですよ。これはもう耐性の有無は一切関係がない。文中に出てくる女性側が「大きなダメージを受ける行動は危険だから禁止」なのに対して、男性側は「行動は原則自由だから外から口出しはやめよう」となってると言う主張です。

裏を返せば女性側のルールは「行動に自由なんかない」って話になるし、男性側は「大ダメージを耐える必要がある」んですよ。女性は大きなダメージを与えそうな表現は控えないといけないし、男性は傷つく表現が跋扈するのを我慢しなければならない。これは必然的にそうなります。ルールなので。

実際、筆者は無自覚なのか、自覚的にやっているのかは知りませんが、エントリ中に男性のダメージ描写は書いていません。自身のダメージは「半日引きずってテンション下がる」と書いてあるのに、繊細な男性の発言として書かれているのは「目に入る事」に関しては許容するなんですよね。その繊細な男性が「嫌なモン見たなぁ……まあいいや切り替えよ」で済んでるのか、それとも「その日、1日寝るまで憂鬱になってる」のかはわからないんですよ。読んでる僕らには。

逆に女性はどれだけダメージを受けるか、については雄弁に書いているんですけど、だからどうしてそれを避けなければ行けないのかについては言及がない。男性側は発表側の自由を制限しないため、多くの人たちから見えなくなるようにするまではしない。ただし、自分がまた同じ目に合わないようにブロックなりはする。

女性側はなぜその対策ではダメなのかについては言及がないんですよ。せいぜい、致命的なダメージを受けてしまうから、なんですけど、これはつまり、私達がダメージを受けないために、発表側は配慮せよ。って話じゃないですか。

何がすごいって、このエントリ、配慮って言葉が出てこないんですよ。

この記事を書くにあたって、何度か読み返しているのですが、何度読み返しても絶対に引っかかる箇所があります。

自衛ってものに対する認識が女性の場合「殴られないように回避する」なんだけど男性向けだと「殴られてから対処する」なんだもん。

はい。

これって筆者はどの立場からものを言ってるんだと思います? どのポジションからの自衛を語っているつもりだと思います?

ここより前を読むと気に入らない表現を「見てしまうだけで」と鉤括弧付けて書かれているのが見えると思います。全体を通してみてもそうなんですが、基本的に筆者は見る側、読む側の立場に立って話をしてるんですよね。

だから、それを踏襲しているんだとしましょう。この場合、殴られるっていうのは「見たくない表現を見せられる」ことを指していると考えられます。つまり「殴られないように回避する」とは「嫌な表現を目にしないように回避する」って話です。で、そのために注意書き、パスを掛ける、検索避けをする、リバの可否や同担拒否を宣言しているんだよ。と。

君は何もしてなくない?

作品についての注意書きを書いたのは書く側、描く側。パスを掛けて見れなくしたのも、検索避けをして見つかりにくくしたのも同じく製作者側。リバの可否や同担拒否の宣言をしたとしても、それを尊重して隠れてくれたのは書く側、描く側が気を使ってくれた結果では?

何が「自」衛なの?

もう少し続けましょう。今度は逆に立場を変えて、書く側、描く側の視座に映れば、先刻までの行動を自衛と呼ぶことは自然になります。表現を見て傷ついた人から因縁つけられないように予防線を張ったり、見られないように隠したりというのは、ある一定の効果がありそう。

ただ、この場所で書き手の側に立場を変えたとしても「ふーん。表現で傷つけられた人の主張を"殴る"って表現しちゃうんだ……?」って話です。

最近の例としてごく最近も雀魂の広告に殴りかかって、関係者総出で問題ない認識ですって突っぱねられた人がいましたね。僕はそういう個人のお好み同然の主張で表現を萎縮させるのは良くないっていう立場のつもりなんで、雑な差別認定を下す抗議を暴力に例えるのは主張と合致してるじゃないですか。

じゃあ、逆に雀魂*4のような、人の尊厳を傷つける悪しき表現*5を表から消し去りたいって人々の抗議の声を、見たくないものは表から消してでも見たくない人たちが「暴力」に例えます? 正当な権利なんじゃないんですか?

書き手の側に立って自衛っていう言葉になっちゃうんなら「繊細ぶってごちゃごちゃ煩い連中に絡まれるのを避けるため」という意識が強くて、本当は「私の作った作品が誰かを傷つけたらどうしよう……」なんてそこまで思っちゃいないんじゃないの? って勘ぐってしまいます。

追記でもある通り、男性向けでも似たようなことは起こるんですよ。以下に上げられるようなことに近い作用が働くことがある。

だから注意書きもある、リバの可否や同担拒否も宣言する、パスも掛ける、検索避けをする。

例えば、グ○、スカト○なんかはワンクッション入れている人がいます。古い話に遡れば、○○ナゲースレなんかの共有うpろだに上げられているファイルには住人だけが知っているPWがかかっていました。実際には外部の人間がタダ乗りするのを防いだり、そういう連中がYoutubeとかに動画上げてアクセス稼いだりするのを防ぐのが主で、苦手な人の目に入りづらくなるのは副産物的な効果でしたけどね。いずれにせよ、男性向けであっても、必要に迫られれば誰にでもアクセスできる場所から一段引っ込んだ場所に隠れようとしたってことです。検索で引っかからないようにするのも意図としては同じですよね。もちろん、これを持って男性側も同じだよ、とは言いません。

ただ、リバの可否や同担拒否の宣言はよくわからないですね。これは似たようなの思いつかない。それってなんか意味あります?

いや、リバの可否はまだわかりそうな気がする。オリジナルの作品で私が描いた関係を勝手な解釈をしてめちゃくちゃにするな! って話なら有り得そう。なんか、薄い繋がりを拡大解釈して書く連中、みたいな言われ方をしてた時代の名残と思えば理解できます。喪スレにはこのキャラクタはこういう扱いはNGみたいなのはあった。キャラクタ人気に乗っかって、中身は別の人間出されても……みたいなのはありますからね*6

それと比較しても、同担拒否の宣言って本当不思議ですよね。同担拒否とはどんな効果だ? いつ発動する? って感じ。いや、まさか「同担拒否って言ったのに!! 私以外の人が推してる!! いやー」って話なんですかね。そういうのは厨房扱いされてスルーされていたイメージしかない。

あのエントリを通じて感じるのは「自分の主張は十全に通らないとおかしい」っていう意識なんですよね。「見たくないものを見ない権利は誰にもある」とかいう意識というよりは「私が見たくないものは目に入ってはならない」かつ「他人が私の作品を見て文句を言うのは許せない」の合わせ技に見える。

作品には注意書きや私が踏まないような工夫が施されていないといけない。ただし、私が踏まないような工夫を無視して踏んだのはお前が悪い。だから、殴りかかってくるんじゃない。

見たくないものを見ない権利は突き詰めると、表現しないことでしか実現できません。自然言語にはない機械形成された意味のないキーワードでしか検索できないように対策したとて、偶然同じキーワードが生成されるのは防げませんし、強硬なパスワードであっても電子パスワードであれば突破の危険性はあるし、パスワードのやり取りを目撃されればそれは鍵としての効力が著しく低下します。

もちろん、実際はどこかに落とし所を見つけていて、DMなりでやり取りして漏出させない信頼がおける人にだけ教えましょう。とか、あるいは、わざわざ機械生成された文字列で検索をするなんて非常識だ! とかでやっているんだと思います。もしかするともっと高度なセキュリティなのかもしれない。興味もないですが。

だとしたら、男性側の落とし所が「目に入ったらそっ閉じ」ってだけです。俺はこの作品好きではないんだけど、面白いと思ってる人もいるだろうからほっとこ。Not For Meってやつよ、Not For Me。はい、次々。

どっちも配慮はしてるんですよ。女性が「傷ついてしまう人がでないように」と配慮しているのと同様、男性は「多くの人が見つけられるように」している。男性が無配慮なんじゃなく、配慮の方向性が違うんですよ。傷つく人がいても多くの人が見られるようにするか、傷つく人が見ないように限られた人間だけに見せるか。の違いでしかない。

じゃあ、この違いはどこからくるのか?

ヒントは筆者が何気なく書いたこの言葉なんじゃないかなと。

まさに文化が違う、ていうか違いすぎて同じ人間に見えない。

待て待て待て待て……カメラ止めろ! おい、ライン考えろ。

平成とかは、異文化コミニケーションみたいなのが流行ったんですけど、もう廃れたんでしょうか。まさかの人にあらず発言が飛び出るのが令和のリアルってコト!?

マジで言ってんの!?

*1:最近だと桜田ぐらい

*2:僕が知ってる数少ないDQ呪文の一つ

*3:明文化されていない、暗黙的なルールでしょうね

*4:厳密に言えばコラボ相手の咲

*5:言い過ぎだろ

*6:皮モノの話はしてません。黙って